こんにちは、ベンチャー支援をしている公認会計士の岡田です。
この記事では、
- 一般的な採用プロセス
- 採用計画の立て方
- 募集要項の書き方
- 募集の選択肢
- 書類選考・面接・内定通知
について書いていきます。
採用のやり方についても正解はありませんが、ぜひ一例として参考にしてみてください。
目次
一般的な採用プロセス
一人で進められることには限界があるため、資金の目処がついてきたら採用に関心を持つ方も多いでしょう。
一般的に採用するためのプロセスは以下の通りです。
- 採用計画を立てる
- 募集要項を作る
- 募集する
- 選考する
- 通知する
知り合いを採用する場合など、一部省略することも実務上多数ありますが、あくまで一例として参考にしてください。
採用計画の立て方
まずはざっくりと、事業計画に基づき採用計画を作成します。
スタートアップが採用を本格化するのは資金調達完了後が多いと思いますが、事業計画上の目標を達成するためにはどのような職種の人員が何名ずつ必要か考えていきます。
例えば、マーケターが〇〇名、営業が〇〇名、エンジニアが〇〇名、カスタマーサービスが〇〇名、といった具合です。
自分なりに考えた上で、自分に似た業種の先輩経営者に採用計画をレビューしてもらうと、実態に即した計画ができやすいと思います。
募集要項の書き方
職種ごとの採用人数を決定したら、次は募集要項を考えます。
募集要項については、多くのテンプレートや記載例がインターネット上に存在しますので、参考にしながら作成してください。
なお、知名度がない初期のスタートアップでは、募集要項をいかに魅力的にするかが非常に重要と考えられます。
以下のようなポイントを丁寧に記載するようにしましょう。
- 会社のビジョン・ミッション、経営戦略、事業計画から照らして、なぜこの職種の人材が必要なのか(Whyの明確化)
- 具体的にどのような業務を、どのような期待値でお願いする予定なのか(Whatの明確化)
- 会社のカルチャーやメンバーの働き方はどんな感じか(Howの明確化)
募集の選択肢
募集要項により採用したい人材のイメージを固めたら、募集をかけていきます。
スタートアップが活用できる募集方法としては、主に以下があるでしょう。
- リファラル採用
- 人材紹介の活用
- 求人媒体の活用
- 自社サイトでの募集
それぞれメリット・デメリットがありますので、自社にマッチした方法を選択しましょう。
リファラル採用
リファラル採用は、自分や従業員、知人などの紹介により人材を採用する方法です。
信頼できる人の紹介であれば、ある程度人材の質が担保できる点、基本的には無償に近い形で採用できる点がメリットです。
一方、どうしても採用する人材の母集団が狭くなったり、偏ったりするデメリットもあります。
人材紹介の活用
人材紹介会社を活用して、彼らのネットワークから人材を紹介してもらう方法です。
人材紹介会社として有名なのはリクルートエージェントやdoda、パソナキャリアなどですが、中小規模の会社も多く、多種多様です。
メリットとしては、自分たちだけではリーチできない人材にもリーチできる点、採用選考プロセスにおける候補者とのコミュニケーションをかなり委託できる点、原則的に成功報酬のため初期費用がかからない点です。
一方、人材紹介会社経由で採用に成功した場合、その人材の年収の35%程度を報酬として支払う必要があります。
人材紹介会社ごとに、それぞれ抱えている候補者に特徴がありますので、募集要項にマッチした会社を活用することが重要です。
求人媒体の活用
リクナビnext、doda、en転職、Wantedly、Indeed等の求人媒体に募集要項を掲載して、広い候補者にリーチすることも可能です。
媒体によっては数万円程度の費用で、幅広い人材プールにPRできるのが特徴です。
一方、人材の質が担保しづらい、募集要項や自社紹介記事を書く必要があり手間がかかる、等のデメリットもあります。
求人媒体ごとに得意とする職種は多種多様ですし、料金体系もバラバラなので、自社の募集要項にマッチした媒体を活用するよう心がけましょう。
自社サイトでの募集
自社サイト内に採用ページや申込フォームを作成して募集するのもよく行われます。
外注費等の費用負担が少なく、自社のこだわりをいかんなく発揮できるメリットがあります。
一方、ウェブサイトの立ち上げに時間や工数がかかる、知名度のないスタートアップの場合、そもそも閲覧者が非常に少ない等のデメリットもあります。
書類選考・面接・内定通知
募集をして人材候補が集まってきたら、書類選考や面談によって絞り込み、内定通知を出します。
リファラル以外の場合は、まず最初に書類選考をして絞り込むのが一般的です。
その後、複数回の面接を実施して、書類だけではわからない候補者の能力や思い等も見極めて、採用する人材を決めていきます。
採用したい思いが固まったら、勤務条件等を記載した内定通知を出します。
候補者から入社承諾されたら、入社時期等を調整して正式採用となります。
スタートアップとしては、以下の点を留意すると良いでしょう。
- 応募者は他のスタートアップにも同時に応募することが多いため、面接や内定通知に時間をかけすぎると、良い候補者を逃してしまう
- 募集要項と候補者の能力のマッチングは重要だが、特に初期のスタートアップでは事業計画の変更も多く発生するため、柔軟性やビジョン・ミッションへの共感も重視する
- 可能であれば、候補者と過去一緒に仕事をした人にもヒアリングして、評判を確認する
会社都合での解雇が非常に困難な日本において、採用ミスは致命傷になりかねません。
スピード感を持ちつつ、しっかり懸念点を潰してから採用するようにしましょう。
まとめ
一般的な採用プロセスをご紹介しましたが、参考になりましたでしょうか。
少人数のスタートアップにとっては、一人一人の採用が非常に大きな意味を持ちます。
採用に関しては次々と新しい手法やソリューションが開発されていますので、ぜひ基本を踏まえた上でベストな方法を探してみてください。
皆様の仲間集めがうまくいくことを、祈っております。